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「B-CAS廃止」記事を検証する

昨日、ASCII.jpに池田信夫氏の「B-CAS」が廃止になるという記事が掲載されネットが騒然となっていました。

B-CASはwikiにも書いてある通り非常に問題の多いシステム/会社であり、悪名高き存在です。

そんなB-CASが廃止になるというのですから、手放しで喜ぶ論調やら、B-CASがなくなるまで、デジタル録画機器を買わないという書き込みが大勢を占めているのですが、記事を読んでも根拠がよくわからず、取りあえず様子見することにしました。
で、今日、ご自身のブログで補足が書かれていたので、ちょっと納得。

頭を整理して内容を書いてみることにします。

元記事
「第5権力」としてのウェブ - ASCII.jp -

【1】

 総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(デジコン委員会)」は9月26日、地上デジタル放送のB-CASを見直すことを決めた。
 6月にまとめられた第5次答申では「消費者や権利者の立場からB-CASについてさまざまな指摘が行なわれた」ことを理由に廃止の方向を打ち出している。放送局も反対していないのでB-CASの廃止が事実上決まった


【2】

 B-CASがなくなると、ダビング10の信号は受信機で無視できるようになるので、これをどうするかが焦点だ。デジコン委員会の村井純主査(慶應義塾大学教授)は「技術と契約」で対応する方針を示した。しかし、法律で強制しない限り、ダビング10に対応するかどうかは受信機メーカーの自由だ。国内メーカーが(放送局の圧力を恐れて)ダビング10を採用しても、海外メーカーが「ダビング10なし」を売り物にして乗り込んでくる。ダビング10も実質的に廃止(任意の規格)にするしかないだろう、というのが関係者の見方だ。


【3】

 デジコン委員会では、これまで一貫して放送局・権利者団体の意向にそって審議が実施されてきたが、ウェブではB-CASに反対の意見が圧倒的だった。これを受けて公正取引委員会が、独占禁止法違反の容疑でB-CAS社などの事情聴取に乗り出したことが流れを決めた。結果的には、ウェブの世論が総務省の「業者行政」を押し切ったわけだ。
(中略)
 メディアは「第4権力」と呼ばれ、国家権力を監視する役割を果たすことになっている。しかしメディアを監視する機関はないので、彼らはその権力を使って業界の既得権を守ろうとする。特に日本ではテレビと新聞が系列関係になり、しかも各系列が横並びで報道管制して、電波利権や新聞の再販制度などの談合構造を守ってきた。
 しかしウェブは、こうしたメディアの情報独占に風穴を開け始めている。インターネットは、その生い立ちからユーザーによるユーザーのためのネットワークである。それは誰にも批判されないというメディアの特権を奪い、彼らの業界のタブーについても多くの消費者が追及する「第5権力」になろうとしているのかもしれない



補足記事

B-CASの違法性について - 池田信夫 blog

【4】

ASCII.jpの記事について各社から問い合わせがあったので、補足しておく。情報源は明かせないが、この内容は一次情報にもとづくものである。AV Watchの記事でも、「B-CAS見直しについては、法律などによる著作権保護の制度エンフォースメントについても議論されていたが、村井委員長は技術と契約によるエンフォースメントを基本としながら、見直しを図っていく方針を示した」と書かれている。「霞ヶ関文学」独特のわかりにくい表現だが、「著作権保護のエンフォースメント」とはダビング10のことだ。


【5】

B-CASは本来の限定受信システムとしてではなく、コピー制御に使われる本末転倒になっている。コピー制御のためなら視聴者の個人情報をコントロールするB-CASは必要ないが、B-CASによる暗号化をやめると、コピー制御信号が無視できるようになる。このためダビング10を「法的にエンフォースしてほしい」というのが放送業界の要望だ。つまりデジコン委員会は、現在のB-CASを廃止することを前提にしてその代わりのシステムを検討しているのだ


【6】

しかしダビング10を法律や省令で強制するには、テレビだけでなくすべての無線機器やソフトウェアを規制しなければならず、法技術的に不可能である。しかも無線機器を所管するのは経産省で、彼らはもともとB-CASに反対している。総務省も、来年の通常国会で2000億円の補助金を通すには、地デジの普及に最大の努力をしていることを示さないと民主党にたたかれることは目に見えているので、「5000円チューナー」の最大の障害になっているB-CASをつぶす方針だ。


【7】

村井氏の「技術と契約」でエンフォースするというのは、こうした状況を踏まえれば当たり前だ。しかし民法には契約自由の原則があるので、これはダビング10を強制しないということを意味する。暗号化もせず法的な強制もしなければ、メーカーはダビング10を無視するだろう。これまでは、そういうメーカーにはB-CASカードを配布しないという脅しがきいたが、これについては公取委が捜査を進めている
(中略)


【8】

総務省の所管する社団法人ARIBが、このような違法行為を行なっているとすれば、重大な国家犯罪である。違法なカードを4400万枚以上も売ったとすれば、独禁法にもとづく排除勧告や課徴金の対象になるばかりでなく、差し止め及び損害賠償を求める消費者集団訴訟の対象にもなる。デジコン委員会は、技術とか契約とかいう前に、B-CASのコンプライアンスについて検討し、違法な技術はただちに廃止すべきである。





ということです。
内容を検証していきたいと思います。

【1】で廃止が決まったとありますが、9月26日 デジコン委員会の記事=「技術と契約」の観点からB-CAS見直しへ - AV Watch - (2008.9.26)に書いてある通りで、【5】の赤字部分のように、「現在のB-CASを廃止することを前提にしてその代わりのシステムを検討」しているのに過ぎないと思います。逆に言うと、代わりのシステムがなければ、B-CASはなくならないとも読めます。

デジコン委の内容はただそれだけです。

ちなみに【1】の「放送局も反対していないので」という件は、8月29日の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 第43回」から来ていると思われます。
B-CAS問題やネット権について議論 - AV Watch -(2008.8.29)

 消費者団体の代表は、「B-CASがもたらす一番の不利益は、安くてシンプルなテレビが市場に出ないこと(川村委員)」と指摘。地デジチューナへのB-CASカードの支給条件について、コンテンツ保護の運用規定を満たすことに加えて、有料放送受信機能の搭載も求められているなど高コストかつ複雑な仕組みが求められているとの、パブリックコメントに言及した。

 それに対し、放送局の代表は、「現在はご指摘のとおり。有料放送受信なども必須になっているが、この見直しを進めている。現在の地デジでは有料放送はなく、機能を使っていないし、今後も使わない。特に、今後簡易チューナが増えることが予測されているため、はずす方向で修正を進めている(関委員)」とした。




また、5次答申についてはその通りで、それに先立つデジコン委第41回で骨子案がまとめられていますが、B-CASに対する批判があいついでいます。

B-CAS見直しが本格始動、「2011年までに改善策決め運用開始」:ITpro ←B-CAS問題がとてもよくまとめられています。

デジタル放送著作権保護の新方針を今後1年で確定へ

総務省デジコン委が追加会合,地デジのスクランブル放送,B-CAS方式に異論が続出 - 産業動向オブザーバ - Tech-On!

情報通信審議会が第5次中間答申を総務大臣へ提出

(エンフォースメントがでてきたところは、更にさかのぼり、デジコン委の39回です:法制度導入やB-CAS見直しなど放送の著作権保護を議論



【4】の赤字部分の通り「一次情報」であろうと、デジコン委とのつながりはないような気がします。

【5】と【6】は「一次情報」の中身かと思いますが、信憑性があるような気がします。

【7】は氏の意見に大いに同感。公取もっとやれ!

【3】はどうかな?
今回の記事への反応を見ても、大多数の人間は単に騒いでいるだけ。
毎日新聞の時には行動を起こしているかもしれませんが、反B-CASは大きなムーブメントとして関係者に認知されているんだろうか?
ウェブの世論が・・とかではなく、総務省が地デジの普及のために現行のB-CASの廃止を行おうという話になっただけのような気がするのですが。
更に言うと、B-CASはBS有料放送視聴のために残る筈です。
となると、「地上デジタル」に限定してB-CASの縛りがなくなる、に過ぎないですよね。



さて、【2】です。

以前、「デジタル放送問題のそもそも」で書いたように、ダビング10等、コピー制御の仕様は何故か通信・放送分野における電波利用システムの実用化と普及促進をする組織であるはずのARIB(社団法人 電波産業会)の「規格会議」が決めているそうです。

んで、ARIB規格を満た機器でないと、B-CASカードが発行されません。
要は、B-CASカードで、ARIB規格、すなわちコピー制御を縛っていた訳です。
(コピーフリー仕様に改造可能だったMonster TV HDUS販売停止にしたのもB-CAS縛りと言われています)

ところが、ここにFriioが現れ、半合法的に、B-CASのシステムを破ってしまいます。
必見記事 → 衝撃のコピーフリー受信機「フリーオ」、その仕組みをひもとく:ニュース - PC Online -

さらに、Friioは進化、グレーゾーンだったB-CASの不正入手という問題も「クリア」。
ネットワーク経由でB-CAS情報を読めるようになってしまいました。
ポケットニュース: フリーオ、最新ソフトでB-CASカードが不要に!
ついにあの「フリーオ」がB-CASカード不要に、とんでもない方法を採用 - GIGAZINE

(技術的説明→B-CASについての技術的まとめ - 池田信夫 blog

更には、国内メーカーからもPT1という、「放送を視聴することのできない」チュナーが現れ、B-CASは骨抜きになっています。

PT1 仕様等
ポケットニュース: アースソフト、4放送同時受信可能な3波対応デジタルチューナーPT1
あらゆるデジタル放送を最大4チャンネル同時受信できるパソコン向けチューナー「PT1」が登場 - GIGAZINE

ということで、B-CASを破られると、コピー制御を抑制する何者もなくなるため、「ダビング10も実質的に廃止」というのは正しいようです。
骨抜きになったB-CASに関係者が固執する必要がないのも理解できます。



脱線ばかりでしたが、まとめます。

池田氏の記事を正確に書くと、

「関係者から聞いた話では、地上デジタル放送の普及のため、地上デジタル放送からB-CASが撤廃されそうな方向となっている。B-CASで制御していたダビング規制もB-CASとともに地上波から消えざるを得ない状況である」

ってことだと思います。

「B-CASの廃止が事実上決まった」というのは、ちょっとふかしすぎ。

それとも意識的にB-CAS廃止風潮をもり立てようとして頂いているのかな?



懸念もあります。

総務省は、地デジ対応機器の推進を強力に推し進めていきますが、放送局が単純なコピー規制撤廃に賛成するとは思いません。確かに、放送局もB-CASの意味のなさを認めていますが、放送のネット流出を怖れ違う形での規制を提案してくるような気がします。

権利者もごねるでしょう。
規制を廃止するなら金をくれ!

デジタル機器メーカーは、規制撤廃で、デジタル機器が一気に普及するチャンスもありますが、同時に海外の低価格機(地上デジタル専用チュナー搭載テレビ)と競合を余儀なくされることになります。単純に規制撤廃に賛成するでしょうか?(輸入によってテレビの単価は下がっていくかもしれませんが、VHSのように製品レベルが下がり、技術投資がしずらくなることを考えると、値下げは、必ずしも、日本や消費者のためにならないことに留意しなければならないと思います。なお、池田氏は自由貿易主義者なので、彼の話を聞くときにはそこらへんには留意する必要があります。経産省は非関税障壁B-CASを撤廃せよ - 池田信夫 blogB-CASを「ちゃぶ台返し」すべきだ - 池田信夫 blog)

BSはどうなるでしょう?
そもそもB-CASを採用している時点でNHKは放送法違反になっています。(B-CAS社の罪は「退場」では消えない - 池田信夫 blog)
個人的には、衛星波は隣国で視聴・録画され、不正に流通することも懸念されるので、B-CASは仕方ないと思ってはいますが、放送法に基づき受信料を回収しているNHKが放送法に違反しているのは変な話でもあります。

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テーマ:デジタル放送 - ジャンル:テレビ・ラジオ

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コメント
 
別にそんなにまじめに考えなくても
廃止なら、歓迎だし存続なら
TVを観なくなるってだけのこと
あんま深く考えるなよ。
by:   * 2008/10/09 04:40 * URL [ 編集] | page top↑
いわゆるB-CAS問題は地上波を中心に無料放送に無理矢理、
必要の無い限定受信のCASを入れたところにあり、
それは止めるべき、というのが大前提で、
それが池田のオッサンの主張です。

初めから有料放送に必要なB-CASも
全て無くすという話では無いので、
オッサン的には、この問題で
「B-CASの廃止が事実上決まった」
というのは、地上波からB-CASが消える
ということとイコールだという認識なんだと思います。
by: 98 * 2008/10/09 12:04 * URL [ 編集] | page top↑
98さん、無名さん、コメントありがとうございます。

無名さん
まぁその通りなんです。
廃止は本当に大歓迎なのですが、あたかもデジコン委で決まったかのような書き方がされていたのでいかがなものかと(笑)
確信犯なんでしょうが。

98さん
>オッサン的
笑いました。
さて、
なるほど、「オッサン」は敢えてこういう表現を使っているわけですね。

記事の中身にしても「池田信夫」にしても影響力があるのは自分でもわかっているはずなのだから、池田氏はわざわざそんな書き方しなくてもとは思いました・・

氏が買い控えを誘導しようと意図して書いているのであれば、納得できるのですが。
by: PaPi * 2008/10/09 23:42 * URL [ 編集] | page top↑
PaPiさん、どうもです。
笑いをとるつもりは無いんですが…
以下、ウケたのでオッサンで統一させてもらいます^^;

さてさて、この記事ですが、特別に意図してこの記事で
買い控えを誘導してやろうなんて事は考えてないと思います。
この記事については、オッサンが主張していた独禁法違反での当局の動きもあり、
本人が(地上波、無料放送の)B-CASの廃止が事実上決まったと確信して
「ほれほれ俺が言ってた通りだろ、どやっ」的なニュアンスの方が強いんじゃないかなと思ったりしてます。

ただ、そもそもこのオッサン、不効率、不透明な放送のデジタル化のやり方に不満タラタラで
消費者はデジタル放送機器を買わずに、デジタル化を遅滞させて、
一般視聴者の利便性重視、効率的な形でのデジタル化の流れに変えさせるべきだと、
デジタル放送機器の不買をストレートに発言した上で、
これまでもB-CASを含めたデジタル放送の問題についての話をしているので、
この記事も、そのバックボーンのもとで書かれてるのも間違いないですが。
by: 98 * 2008/10/11 20:46 * URL [ 編集] | page top↑
98さん

> 一般視聴者の利便性重視、効率的な形でのデジタル化の流れに変えさせるべきだと、
> デジタル放送機器の不買をストレートに発言した上で、
> これまでもB-CASを含めたデジタル放送の問題についての話をしている

「おっさん」に対しては、自由貿易等、偏りすぎた思想を感じ、ちょっと敬遠していたのですが、ちょっと男気を感じました。
教えていただき有難うございます。

それにしても、ボクはデジタル放送問題に関心を持って、まだ半年くらいなのですが、本当に奥が深いです。
早く「ちゃんとした」状態になれば良いと切に願います。
by: PaPi * 2008/10/12 23:41 * URL [ 編集] | page top↑

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